インドネシアの言語

インドネシアへ住んでいたこともあり、忘れないようインドネシアの不思議な点を記して行きたいと思う。

 

今日はタイトルにもある通り、言語について記載したい。

皆さんは、インドネシアの言語は何だと思うか、の質問をしたい。「そりゃあ、インドネシア語では?」恐らく、こう答える人が殆どだと思う。正解は、そう「インドネシア語」である。インドネシアの方に話を聞くと、正確には「ジャワ語」というジャカルタがあるジャワ島に住んでいる、正しくはジャワ島の西側に住んでいる人たちの言語となり、それが現在公用語として使用されているそうだ。そのため、学校教育では国語としてジャワ語が用いられている。その後調べてみると、ジャワ語とインドネシア語も違うようなイメージはあるが、インドネシアの方から聞いたので、とりあえず記載してみた。。。

さて、日本では「日本語」が公用語として使用されており、方言はあるものの日本中であれば通じる言語であるのは周知の事実であろう。では、インドネシアではどうか。先にも述べたが、現在使用されている公用語は、西ジャワで使用されている言語である。つまり、他の地域では他の言語が使用されていることとなる。もちろん、教育ではジャワ語を国語として用いているため、広大なインドネシア(東西の距離はアメリカ大陸と同等の広さだとか)中、どこでも通じる、らしい。

なぜ「らしい」と記載したのか。それは、インドネシアで働いた時の現地スタッフから教えてもらったことがあるからだ。どうやら、地方へ行くと、言葉が通じないことがある、とのことだ。どういうことだろう?と日本の感覚で考えても良く分からなかったので、本「現代インドネシアを知るための60章」を読んでみたり、現地でできた友人に話を聞いてみた。まずその本では、インドネシアには276もの言語グループが存在し、そのうち274の言語は使用されているらしい。そして友人に聞いてみると、良く出てくる良い例は、ジョグジャカルタ(中央ジャワに位置する、日本で言う京都のような都市)の言語を教えてくれた。「大丈夫だよ、問題ないよ」をインドネシア語では「Tidak apa apa」と言うがジョグジャカルタでは「オ ラ ポ ポ」(スペルを失念)と言うとのことだ。もはや、他の言語レベルなので驚いた。

(ちなみに下3枚は、そのジョグジャカルタで撮影してきた写真たち)

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これほどまでに異なる言語を統一し、民族を纏める国は島国だからこその特徴だろうか。今でも使用されている言語が274もあると考えると、民族の多様性という観点で言えば、インドネシアは優れているなと思った。その一方で、民族から政府に対する反発も起きている話も聞くので、完璧さを求めれば課題も多いのが現状だろう。しかし、多様性の観点で言えば、昨今のSDGsのキーワードの一つでもある「ダイバーシティ」は世界的に尊重されている。インドネシアは、その先駆者となってくれれば良いなーと、勝手な期待を寄せている。

 

ダイバーシティを考えていたら、過去に住んでいたマレーシアのことを思い出したので、今度はマレーシアのことでも書いてみようかな。うん。

カーボンニュートラルにおける、本当の脱炭素とは

最近、SDGs関連のワードを良く見かける。そもそもSDGsとは、持続可能な開発を目標とし17の世界的目標・169の達成基準・232の指標を持つ持続可能な開発目標 であり、 2015年9月の国連総会において採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ』」と題する成果文書に記述されている2030年までの具体的指針のことを指している。しかしながら世界は直ぐに変化することはなく、日本の場合2020年10月に政府が宣言した「2050年カーボンニュートラル」が発端で、このSDGsが再浮上したイメージが強い。

 

さて、そのカーボンニュートラルだが、皆さんはどう理解されているのだろうか。「脱炭素」「CO2排出量を0にする」など、色んなフレーズを耳にするが、実のところカーボン、つまり二酸化炭素の排出量を0にするまでを望んでいる概念ではない。そもそもカーボンニュートラルの定義は、カーボンの排出が「実質0」の状態であり、カーボンの排出量がマイナス(何かで吸収される場合)であれば、それはカーボンニュートラルでなく、カーボンポジティブやカーボンネガティブと呼んだりする。カーボンの排出が「実質0」の状態とは、排出した分を吸収し「排出ー吸収=0」の状態であれば、それはカーボンニュートラルと言える状態なのだ。

 

現在、企業はそのカーボンニュートラルに向けて、それこそ「脱炭素」を目標に経営の舵を切っている。例えば、同業他社による共同物流網の構築で空車など輸送面の効率化を上げる、トラック輸送をモーダルシフトへ変えることでCO2の排出量を抑える、また燃料などのエネルギーを再生可能エネルギーにすることやLNGアンモニアなどに変えることを実施、または計画している。

 

しかしながら、その対策の中には脱炭素として曖昧な内容もあるだろう。例えば、アンモニアをエネルギーとして使用することである。アンモニアをエネルギーとして利用する見方となったのは、経済産業省が2021年2月に「燃料アンモニア導入官民協議会」を通じ、「2050年に3000万トンのアンモニア導入目標」を掲げたことが大きいだろう。その結果、商社や物流企業がアンモニアに着手したニュースを目にするようになった。しかし、アンモニアは果たしてグリーンなエネルギーなのか。調べてみると、どうやらアンモニアをエネルギーとして使用できるまでには、大量の電力が必要であり、またアンモニアを燃やすと窒素酸化物が発生し、このうち一酸化二窒素(N2O)は温室効果ガスとして位置しており、環境負荷が大きいとも言えるらしい。以上の点を考慮すると、エネルギーの代替品とは言いにくいだろう。。。

 

今回説明したアンモニア発電の最大な利点は、燃焼してもCO2を出さないことにある。つまり、エネルギーとして利用する視点は良いが、技術が伴っていない状況だと推測する。その技術課題について、先日とある海運企業はアンモニウム生成技術を主に研究しているベンチャー企業へ出資を発表している記事を見かけた。影響の大きい大企業が率先して動き、技術の開発など現状の課題解決に向けた早めの活動は、他の企業もどんどん実施すべきだと思う。 まずは技術という足元を固め、環境に優しいエネルギーが普及してくれることを願う。

 

少ししっくりこないが、本当の脱炭素とはカーボンニュートラルに対する現状の課題解決のために、企業や個人がどう動いたかの「活動」そのものなのかもしれない。